この「上」巻では、主人公(男)が幼稚園から高校生になるまでの話が書かれている。
読んでいて、よくそんな幼いころの記憶があるな~とは思った。
まあ、本の中でも結構曖昧な記憶であることは表現されているのだが・・・
主人公の父がそれなりの会社に勤めており海外出張があるので、主人公はイランで生まれた。
ただ、その時の記憶は流石にほとんどない。
その後、一旦。日本に戻るが今度はエジプトにも少しの間住むことになる。
本の題名の「サラバ」は、そのエジプトに住んでいた時の親友と共通認識で言い合っていた言葉だ。
この言葉でお互いの感情が通じ合っていた。
この主人公には姉がおり、かなり変わった人。
「私を見て!」感がすごく高い人で、あくまで自分はマイノリティでありたい人だ。
その為、学校などで敵を作りやすく主人公にとってはそのとばっちりを食らうのではないかとひやひやする厄介な存在だ。
やることがかなりめちゃめちゃな人だ。
そのおかげだと思うが主人公はその分、行動が慎重になり目立たず平穏に学生生活を送ることになる。
「イランで生まれました。」「エジプトから転校してきました。」では、かなり目立つことになるので、そこを主人公はうまく存在感を薄くしやり過ごしている。
また母も普通のお母さんとは少し違う感じだ。
母としてではなく女性として生きている節がある。
因みに、母と姉の仲はよくない。
ただ、この姉はめちゃくちゃ過ぎるので、母に同情する部分も多々ある。
かなり神経的に参っていたと思う。
また、親戚関係も複雑で母も姉も特定の人物に対し軋轢らしきものがある。
めんどくさい性格だな~とは思った。
父は家では存在感の薄い人だがとても良い人だ。
あくまで「上」まで読んだイメージだが。
因みにこの夫婦は離婚する。
理由は不明。「下」巻で分かるのかな?おそらくそうだと思う。
また、日本で一時期住んでいた家主のおばちゃんもいい人かなと思っていたら宗教まがいな事をしだす、かなり癖がありそうな人。
この人も「上」を読んだだけでは、本当はどういう人かわからない。
全体的にこの小説では主人公の思っていることや感じていることが書かれている。
また、ホモセクシュアル的な事も書かれている。
主人公はおそらくホモセクシュアルではない。(幼少期怪しい部分もあるのだが・・・)
とりあえず、いろいろと気になる部分はあるので、次は「下」巻を読んでみようと思う。
おわり
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