Amazonプライムにて読了。
「人生の短さについて」
「母ヘルウィアへのなぐさめ」
「心の安定について」
の3編が収録されている。
最後に解説があり、これがなければ、何の話かよく理解できなかったです。
また、作品の解説以外にも、セネカの生い立ちや時代背景も解説してくれています。
人生の短さについて
人生は過ごし方しだいでいくらでも長くなるのだといっています。
多忙な生活から離れて、閑暇な生を送ることと言っています。
この閑暇の解釈が難しく、暇なボーっとする時間を作れという意味ではありません。
閑暇とはその時間の中で自分自身と向き合い、自分が本来なすべきことをしている状態です。
対立関係にある多忙の忙は、心を亡くすと書くので心を失う、余裕をなくして自分の心を見失っている状態です。
セネカが考える時間との正しい関わりとは、未来に頼ることをせず、過去ときちんと向き合って、そのうえで、現在という時間に集中して生きることです。
未来は不確かであり、人間の思い通りにならない。
にも拘わらず、人間は、その未来に過度の信頼を置き、今なすべきことをやらず先延ばしすることによって現在という時を失っている。
今を失わないためには過去としっかり向き合うべき。
過去は哲人たちの英知にあるれる世界です。
母ヘルウィアへのなぐさめ
これは、読んでいて屁理屈ばかりこねているな~って感じました。
このセネカって人は追放されている時期があるのですが、その時の運命の克服方法が書かれています。
常識的な価値観を、視点を変えることによって転換しようとしています。
私には、ただ見方、考え方を変えてポジティブな思考に替えているだけで釈然としないのですが、これは、私の読解力不足ですかね。
ストア派の哲学というものを、いまいち理解できていないこともあるもだと思います。
母には、学問をすることこそが、悲しみを克服する最良の手段となるということで、学問を薦めています。
心の安定について
心の安定とは、穏やかで、静かに落ち着いている状態のこと言っているのではありません。
ぶれることのない、確固とした生き方のできる心のあり方のことであり、能動的で活動的な心の状態を表したものと言っています。
以上、作品の紹介でした。
価格:990円 |