作者が私立東京開成中学を大東亜戦争終戦の年の3月に卒業した時の卒業証書についての話が書かれています。
同窓会の席で、作者は、同級生の一人に、ある小説の内容の一部について指摘されます。
その内容は、小説には、卒業期をむかえ教師が動員先の会社の休憩室にきて、紙質の悪いガリバン刷りの卒業証書を渡してくれたというくだりがあるのですが、実際には、卒業証書は学校でもよおされた卒業式で手渡され、それも普通の紙質のものだったという内容です。
しかし、作者も含め、他の同級生もそんな記憶がありません。
戦時中なので、もちろん、卒業証書が残っている者もいません。
しかし、その同級生は、その卒業証書を持っていました。
その時の写真も所持していたのですが、その中には8人しか写っていませんでした。
なにせ、大昔の話なので、真偽は、定かではありません。
ごく、一部の者だけが、貰ったのかもしれません。
そこで、同窓会の席では、その人物以外、卒業証書を持っている者はいないようだし、卒業証書を作って遊びとして卒業証書授与式をやろうというこになります。
この本を読んで、平和っていいな~って思いました。