作者の生まれ故郷には、元々、牛乳供給所があったのですが、新たに大手の牛乳精製会社の販売店が参入します。
時代は、中国との戦争の前です。
大手の牛乳屋が新規参入してきて、細長い瓶から太い瓶に変わり蓋が陶磁器から厚紙に変わって、だんだん、みんなその牛乳を呑むようになったという話ではなく、その新規参入した牛乳屋の奥さんのことが書かれています。
一緒に牛乳屋を始めた夫(店主)は出征で、亡くなります。
奥さんは身ごもっており、夫が出征中、亡くなった後も甥と一緒に嬰児を抱きながら牛乳屋を続けます。
甥も太平洋上での戦争が始まり入営するため帰郷します。
男手がなくなっても、奥さんは、店を閉めずに、牛乳を乗せた箱車を轢いて営業をつづけます。
それは、異様な光景に映ったそうです。
しかし、戦争の影響で、店は閉めざるを得なくなります。
その後、空襲で町は焼き払われ、皆、ちりじりになります。
戦後、気まぐれで作者は、生まれ故郷の町の駅を降ります。
そこで、知人と遭遇し、気になっていた、牛乳屋の女とその子供が今どうしていか、聞いてみます。
と、このような内容です。
この牛乳屋の女のイメージがイマイチつかめないのと、頑なに店を続ける心情がよくわかりませんが、生きるのに必死だったのだろうと思いました。
最後は、そんなに悪くない結末です。
👇この「真夏の花火」の一番目に書かれている短編です。
と、この作品をここに添付しようと思ったのですが、楽天で検索してもでてきません。
気になる方は、本屋か図書館で探してください。
こんなことなら、もっとネタバラシをしてもよかったですね。
以上、読書感想文でした。