見事に騙された。
前半で犯人が早々に捕まり、おかしいな~とは思った。
もう終わり?まさか、短編集?って思ったのだが、ここからが本番で刑事・加賀恭一郎による犯人が犯行に至った動機の真相を探る章になる。
殺されたのは人気作家のに日高邦彦。
殺した犯人は日高とは同級生で親友の元高校教師の野々口修。
そして、刑事・加賀恭一郎は、野々口修と同じ高校で昔教師をしていた仲だ。
野々口は日高を殺し早々に捕まるのだが、その捕まり方は彼の誘導によるものだった。
簡単に書くと、野々口は日高に弱みを握られゴーストライターをさせられていたというストーリーを用意周到に作っている。
こうも簡単に野々村の思惑通り事が進むものなのか?所詮は小説だな、という疑問は読んでいて感じたが、真相はそういうことだったのかというどんでん返しがあり読みごたえはあった。
読み始めと、読後の日高のイメージは180度変わる。
読み進めていけばいくほど、野々口の矛盾が炙りだされ野々口の闇の部分が見えてくる。
どうせ捕まるのになぜ殺害動機を隠す必要があったのか、そこにもかなり闇の部分が隠されている。
また、野々口はガンを患っており、その影響も大きいと思った。
これらの真相を突き止めるためには、彼らの学生時代の出来事まで遡って捜査する必要があった。
面白く読めたが、真相が解ればわかるほど、ちょっと気分が重くなる内容だった。
読後感はあまりいいものではないかもしれない。
でも、読み始めと読み終わりで全然違うことになってしまうのでそこは面白いと思う。
おわり
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