まさよしのブログ

日記・読書・スキー等いろんなことについて書いています

幻夜 東野圭吾 を読んで (ネタバレ注意)

面白かったが読後感は個人的にはあまり良くなかった。

雅也の復讐劇的なものを期待していたのだが、結末はあっけなかった。

まず簡単にこの本の内容を説明すると話は阪神淡路大震災から始まる。

雅也の親父が自殺し葬式を行っていた日に震災が起こった。

その葬儀に来ていた叔父が雅也の親父にお金を貸していたらしく(実際には良からぬ投資話をもちかけ肩代わりで金を強引に貸していただけだが)死亡保険金でその借金の返済ができないかという催促をされていた。

雅也はあまりこの叔父を快く思っていなかった。(実際、この叔父は金に汚くまっとうな人間ではない)

その葬儀で叔父は酒に酔って雅也の家(工場)に泊まったのだがその時、震災がおこった。

叔父は建物の下敷きになったのだが、まだ息は絶えていなかった。

雅也は助けることを躊躇し、真逆の行動を取る。(つまり殺害した。)

その現場を美冬に見られたことからこの話しが始まる。

そこから美冬と雅也は誰にも知られない関係で今後の人生を成功させるため犯罪を冒していくという内容だ。

その手口が人を陥れるような内容で面白いといってはなんだが読み応えがあった。

手口が巧妙で警察も加藤刑事を除いてはその真相に辿り着くことはできない。

美冬の非情さ、冷徹さに読み応えがある。

最後まで読めば、美冬の非情さ、冷徹さの謎がわかる過去などが描かれているのだろうと思っていたが、そういうことは描かれておらずちょっとガッカリ。

私の読解力が低いからなのか、美冬の存在がはっきりしない。

美冬が実は当の本人で整形をしたので過去の美冬の写真と別人なのか、やはり美冬の勤めていた社長が震災後に美冬になりすましているのかがわからない。(そもそも本人であれば、あれだけ自分の過去を隠すために非情なことをやる理由がないので、美冬の社長が美冬になりすましているのだとは思うが)

個人的感想だが、美冬に騙されて殺人まで冒してしまった雅也には、せめて最終的に美冬の殺害という目的を達成できなかっとしてもそれなりの活躍シーンを用意させてほしかった。

また加藤刑事もあれだけ独特な雰囲気を醸し出しているキャラ(私は結構気に入っている)なのにあっけない最後には少し残念だ。

また、ただ美冬に家族写真を渡そうとしただけの曽我さんも気の毒過ぎる。

かなりネタバレになってしまったかもしれないが、美冬と雅也が陰で組んでいろいろな犯罪を工作をするので読んでいて面白かったです。

長編だが、かなり面白い作品です。

おわり

 

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