大鵬大学医科学研究所で保管していた炭疽菌の1種「K-55」がゆすり目的で盗まれるとう内容。
しかし、その犯人はすぐに交通事故で死んでしまう。
その犯人というのは、その炭疽菌を研究していた所員で不当解雇されたことによりこういう犯行を思い至った。
炭疽菌は、生物兵器なのでそんなものの研究などあってはならないことなのだが、所長は黙認してした。
その炭疽菌は、とても危険なもので犯人は携帯しておくわけにはいかず、ある雪山の木の下に埋めて保管することにした。
その木には、場所を特定するために発信器をつけたテディベアを吊るしてある。
受信機は発信器から300m以内に近寄れば反応するようになっている。
埋めた場所がわからなくなるので、犯人が目印としてこのような細工をしたのはわからなくもないが(それにしても手が込んでいるな~と思う)、なぜ、その情報をゆすりの対象である所長にメールで知らせたのかはよくわからない。
面白がってやったのかな?
このことにより、話はすごく面白くなっていく。
因みに炭疽菌はケースに入れてあるのだが気温が10度を超えると割れてしまう。
とうぜん、その周辺は汚染され死者が続出することになる。
雪が溶けるまでに探し出さなければならない。
受信機は、犯人が偶然にも高速道路で車が故障し発煙筒を焚くために道路上に出たところで事故に合ってしまったので、その車の中から簡単に見つけることができた。
警察には当然本当のことを話す訳にはいかないので苦し紛れ言い訳で車内を物色させてもらうのだが。
そもそも受信機を手に入れなければ話が進まないしね。
その後も所長ではなく、部下の栗林って人がそのテディベアを仕事として探すことになるのだが、本当のことを話すことができず苦し紛れの言い訳をしながらの捜索になる。
雪山の場所だが、その栗原の息子の趣味がスノーボードであり、犯人のメールに添付されていた写真を基にいろいろな知り合いの伝手を使って特定してもらうことになる。
もちろん、息子にも本当のことは話せず、あいまいな理由をつける。
で、スキー場が特定され息子を連れてそこのスキー場へ捜索にいくこととなる。
息子は中学校を休めてオヤジとスキーに行けるということで大喜びだ。
当然、妻は激怒するが、まあ、たまの親子の親睦を深められる意味もあると思いしぶしぶ了承する。
栗林は大学時代に少しスキーを経験したぐらいで、ほとんどど素人。
ボーゲンでしか滑れない状態で、コース外の木に吊るしてあるテディベアを探そうとするのだが、当然、素人にパウダーを滑れるわけもなく、スキー場のパトロール隊員とかに探してもらうこととなる。
もちろん、誰にも炭疽菌の話はしていない。
大事なワクチンだと嘘を言って協力してもらう。
人の命がかかっているという点では嘘ではないが。
しかし、そのテディベアはすでに少年が拾ってしまい見つからない。
また、犯行に加担した女性社員も相当な悪で、その炭疽菌を狙っている。
自分の弟をスキー場に派遣し炭疽菌を奪おうとする。
読みやすく、ちょっとコミカルな部分もあり面白い作品だった。
おわり
価格:712円 |