この本は個人的にはおもしろかった。
人にお勧めできる小説だと思う。
主人公と妻の間には一人の娘(10歳ぐらいだったかな?)がいたのだが、ちょっと一人で留守番をさせている間に強盗殺人犯に殺されてしまう。
強盗殺人なので当たり前だが理由はかなり理不尽なものだった。
その事件後も、その夫婦は共に暮らしていたのだが、お互いの顔を見ると昔の忌まわしい記憶が蘇りお互いにとって良くないという事で離婚する。
その別れた妻が殺人事件にあうという話。
主人公は娘と元妻の二人を失ったことになる。
元妻の両親も、娘と孫をうしなったことになる。
その元妻は離婚後、収入を得るため働きに出ていた。
ライターのような仕事に就き、初めは軽い内容の記事(グルメとか)を書いていたのだだが、そのうち社会問題的な内容の記事も書くようになる。
その中で、万引き依存症の記事を書くことになり、いろいろな患者から話を聴くのだが、その中の一人に他の患者とは理由が少し違う気になる人物がいた。
摂食障害などでそういう依存症になる人が多い中、その人はすごく自分を責めていた。
元妻は、その人物がすごく気になり、なぜ自分をそこまで責めるのか、理由を聞く。
その女性としては、他人にその秘密を打ち明けるつもりは毛頭なかったのだが、ついつい一人で苦しむのが辛かったからだろうか話してしまう。
その理由を知ったがために、その妻は殺さることになるという内容だ。
因みに殺したのはその女性ではない。
その女性とはなんの面識もない人だ。
ただ、なぜそうなったかは、この小説を読めばわかる。
この本のテーマは死刑は無力かどうか?ってことなのだと思う。
最終的な結末はどうなるのかなと思って読んでいたが個人的にはいい結末になっていてほっとした。
おわり
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