第2次世界大戦中の日独両国の連絡路の話です。
連絡路としては、空路、陸路、海路がありますが、当時、ソ連と中立条約を結んでいた日本としては、領空侵犯を冒してソ連を刺激したくないという意図もあり、ほとんど、海路(潜水)を選択します。
(空路、陸路もこの本の中に書かれています。)
大西洋では、制空権が完全に連合国側に取られているので、ほぼほぼ潜水するしかないです。
インド洋までくれば安心してしまうのですが、その安心が命取りで、マレー半島や日本近海でも沈没させられたりします。
士気低下を防ぐため、日本政府はその事実を封印します。
潜水艦には、重要な人物(軍人、科学者)、物資、情報、機密兵器、設計図等が積載されており、沈没すれば、それらは、当然、日本へ届けられません。
個人的な、軍事に疎い私の考えですが、もし、それらが日本に届けることが出来たところで、圧倒的な物量で圧してくる連合軍を相手にしているので結果はあまり変わらなかったのではないかと思います。
また、海上や空からの哨戒を避けるため、長時間の潜水を余儀なくされ、船内の酸素は不足し二酸化酸素が充満し頭痛に悩まされながらの運航になります。
酸素を使う運動どころか、頭を使うと酸素を消費するということで、読書すら禁止されます。
水も制限され、体の垢を洗うこともできません。
空間も制限され身動きできません。
敵に探知されないようにするため無電を制限され、本国に頻繁に連絡が取れません。
今の自衛隊でもそうなのでしょうが、潜水艦生活はかなり過酷なものであることが描かれています。
後、この本を読んで思ったことは、ドイツ人ってまじめでいい人ですね。
すごく、この本を読んでドイツ軍人に好感を感じました。
本は変わりますが、司馬遼太郎の坂の上の雲を読んでいても、ドイツって義理堅いところがありますよね。
私の中ではイギリスが非情だし、フランスは冷たいイメージがあります。
かなり、登場人物が多く役職がどんな仕事で、どれくらい偉い人なのか、把握できないまま、さら~っと読んだのですが、なかなか読み応えがあり面白い本でした。
また、吉村昭の本を図書館で借りてきます。
おわり
価格:814円 |