まさよしのブログ

日記・読書・スキー等いろんなことについて書いています

漁火 吉村昭 を読んで

見えない橋に収録されてる短編の1つ 「漁火」を紹介します。

28ページほどの短い作品です。

 

主人公は、職業が漁師で消防団の副団長をしている磯貝という男です。

九州の地方都市の病院の委員長である片桐の息子が白滝断崖から身を投げたということで、団員達と船で遺体の捜索をします。

白滝断崖、ネットで調べてみると熊本県五木村ってところにあるようです。

息子の自殺の動機は医科大学への進学に三度失敗したことによるものらしい。

遺体は見つからなかったが、片桐夫妻から申し訳ないがあらためて捜索してほしいと依頼があり再度捜索をすることになります。

ただし、こうして投身事故があるたびに団員は船を出しますが億劫がる者はいません。

海は彼らに生活の糧を与えてくれる場所で、そこに身を投げた者を収容するのは当然だという思いがあるからだそうです。

村役場からは、ほんの僅かだが、慰労金も出ます。

片桐夫妻も船に乗せ捜索を再開するのだが、やはり遺体は発見されませんでした。

夫妻は、この再捜索で諦めることにしました。

磯村は無力感を感じます。

その後、烏賊漁が始まったころに、また別の身元不明の遺体が発見されます。

遺体のポケットには66円しか入っていませんでした。

これで、白滝断崖から身を投げた者は今年2件目になります。

まだ、後、2~3件はあるだろうと団員たちは予想します。

この遺体は、身許の解らぬ霊は空間を彷徨い、土中であっても背伸びをして肉親の現れるのを待つので、そうした死霊の願望を叶えるために、頭部を上にして埋葬します。

そのためには、二メートル以上、穴を掘る必要があります。

埋葬してまた漁に出るという話です。

 

感想を書くのは難しいですね~。

漁師はわれわれと比べ死体に接する機会が多い、身近なものなのだろうとは感じました。

 

おわり。

 

👇この紹介した作品が収録されているかどうかわからないけど。

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